『財界』誌連載コラム 『英語で夢を見る楽しみ』 寄稿者のブログです。往年のベストセラー『英語屋さん―ソニー創業者・井深大に仕えた四年半』と『英語屋さんの虎ノ巻』(集英社新書)はKindle (Amazon)などの電子書籍でお読みいただけますので引き続きご愛読のほどお願い申し上げます。2008年7月から10年余りにわたって実務翻訳で見つけた訳語を「なるほど!訳語発見 ~英語翻訳の現場から」と題してこのブログに載せてまいりましたが、思うところがあり2018年8月に改題しました。
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2019年11月09日 (土) | 編集 |
live streaming (ライブストリーミング)は元来は配信される動画をパソコンにダウンロードしながら同時再生する技術の名称でしたが、今ではインターネットによる生中継という意味でも広く使われています。私も数年前までは「ストリーミング生中継」(当ブログ過去記事参照)などと訳していましたが、その意味なら今では「ネット生中継」とでも呼んだほうが分かりやすいと思います。

なお最近は「生中継」のほか「ライブ配信」「生配信」という言葉も広く使われていますが、これはインターネット時代になってから使われるようになった言葉で、私のようにテレビやラジオで育った古い世代にはいまひとつしっくりきません。テレビと同様に「生放送」と呼ぶ向きもありますが、厳密にはインターネットは(主に電波媒体を使った不特定多数向けの)放送(broadcasting)ではなく通信(communication)の一種に分類されてきたこともあって、語弊を避けるために私は使わないことにしています。

YouTubeなどで海外からネット中継されているニュース映像のようなコンテンツは、ほとんどが無料です。「ネットと放送の融合」を名目にテレビ番組をネットで同時配信してパソコンやケータイの所有者からの受信料徴収を狙う某有料公共放送の企てを阻むためにも、両者の区別はきちんとしておくべきでしょう。

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2019年05月20日 (月) | 編集 |
IT機器・システムの開発設計や運用業務に携わっている技術者が相手なら、default settings はカタカナ語で「デフォルト設定」と訳しておけば通じます。一般向けなら「初期設定」と訳すと簡潔で分かりやすいかもしれません。多くの場合はfactory settings (工場出荷時の設定)も同じ意味で使われています。

(例) factory default settings (工場出荷時の初期設定)

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2018年09月08日 (土) | 編集 |
9月6日未明に北海道胆振地方で発生した強い地震(下注)の影響で発電所が故障し、その影響でまる1日から2日間にわたって北海道全域で停電が続きました。報道ではこのような地域全体にわたる停電のことを「ブラックアウト」と呼んでいましたが、このカタカナ語をその意味で使っているのを私は今回初めて耳にしました。前代未聞の事故だったこともあって、本来は一般には使われない専門用語が報道で表に出てきたのではないかと思います。

英語のblackoutは一般に「停電」(power outage)の意味で使われています。ただし、どちらかと言うと広範囲で起こる停電について使うことが多いようで、それらしく訳すなら「全域停電」「大停電」とすれば一般にも通じやすいでしょう。カタカナ語の「ブラックアウト」は今はまだ専門用語の域を出ていません。

blackoutという英単語は予測不能な停電、計画的な停電のどちらにも使われています 「計画停電」 ⇒既出記事参照)。空襲対策として戦時下に実施される意図的な停電は「灯火管制」と言いますが、この訳語は手元の辞書にも出ています。

このあたりの使い分けはネイティブスピーカーの間でも見解が分かれるようです。興味深い議論がネットに出ていましたのでご参考までにリンクを貼っておきます。

【参考記事】 Power outage / blackout, black-out 〔WordReference.com〕

(注) 後日震源に近い厚真町では震度7と判定され、「平成30年北海道胆振東部地震」と命名された。千歳市や札幌市の一部でも震度6弱を記録したこの地震では大停電のほか土砂崩れや液状化による陥没など大きな被害が発生した。
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2018年09月04日 (火) | 編集 |
グーグルホーム(Google Home)やアマゾンエコー(Amazon Echo, 写真上)などのスマートスピーカー(AIスピーカー、既出記事参照)を起動するときに発する「オッケーグーグル(OK Google)」とか「アレクサ(Alexa)」という言葉を一般(普通)名詞でどう言うのか調べてみたところ、英語ではhotword, wake word, trigger word など、日本語では「ウェイクワード」「起動ワード」「呼び名」「呼びかけ」などとまちまちですが、現時点では日英いずれも「ウェイクワード」(wake word)が優勢です。

Amazon Echoのヘルプサイトを見たところ「ウェイクワード」と呼んでいました(Googleのヘルプサイトには「話しかける」としか書いていない)。日本語の「ホットワード」(HOTワード)はツイッターなどのSNSで最近よく検索される言葉という意味で使うことが多いからでしょうか、ウェイクワードの意味ではあまり使われていないようです。

前述のヘルプサイトを見ると、選択可能なウェイクワードのひとつに「コンピューター」(Computer)があります。私などは往年のSFテレビドラマ 『スタートレック』(放送当時の邦題 『宇宙大作戦』)を思い出します。スマートスピーカーどころかパソコンさえまだ姿形も無かった1960年代に、音声認識機能を搭載したコンピューターにこう呼びかけて起動する場面がありました。当時のSF物の先見性に改めて感嘆します。

最近はLEDディスプレイを搭載したスマートスピーカーも出ています(Echo Spot, 写真下)。昔ながらのパソコンしか持っていない私自身はまだ使っていませんが、使い道を想像するだけで胸躍ります。

(写真はいずれもAmazonのスマートスピーカー。リンク先はAmazon)
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2018年07月30日 (月) | 編集 |
individually tailored は洋服の話なら「特別仕立ての」と言いますが、機械とかソフトウェアのプログラムなら「個別仕様[の]」「特注[の]」くらいが適訳でしょう。いずれも顧客の注文に合わせて作成(調整)することを意味します。「オーダーメイドの」というカタカナ語はどちらにも使えます(英語では tailor-made, custom-made. made-to-order など)。

(例) individually tailored solutions(特注ソリューション、オーダーメイドのソリューション)
    individually tailored program (個別仕様プログラム、特注プログラム)
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