『財界』誌連載コラム 『英語で夢を見る楽しみ』 寄稿者のブログです。往年のベストセラー『英語屋さん―ソニー創業者・井深大に仕えた四年半』と『英語屋さんの虎ノ巻』(集英社新書)はKindle (Amazon)などの電子書籍でお読みいただけますので引き続きご愛読のほどお願い申し上げます。2008年7月から10年余りにわたって実務翻訳で見つけた訳語を「なるほど!訳語発見 ~英語翻訳の現場から」と題してこのブログに載せてまいりましたが、思うところがあり2018年8月に改題しました。
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2020年03月26日 (木) | 編集 |
新型コロナウイルスに関するこの国の当局や専門家の発表ではカタカナ英語をやたらと使う向きがあるようですが、[感染者の]クラスター(cluster) に続いて今度は「感染爆発」(感染者の爆発的増加)の意味で「オーバーシュート」という耳慣れない言葉が聞こえてきました。英語のovershootをその意味で使うのに違和感を覚えたので例によってネットで検索してみましたが、少なくとも海外の一般向け英文記事にはそういった用例は見当たりません。

Googleの「ニュース」で検索したところ、「感染爆発」を英語ではexplosive outbreak, explosive surge, あるいは単にexplosion(爆発的増加)などと呼んでいるようです。

(例) an explosive outbreak of coronavirus cases(コロナウイルス感染症例/
   感染者の爆発的拡大)
    explosion of coronavirus [cases] (コロナウイルスの感染爆発)

【同日追記】 なお英語のpandemicもこの意味で使われていることがあるが、最近WHOなど保健当局の言うpandemicは複数の国や地域にまたがる感染拡大を意味していることが多く、その場合は「世界的な大流行」と訳されている (前掲 「pandemic 【パンデミック(世界的な大流行)/爆発的感染拡大】」参照)
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2020年03月10日 (火) | 編集 |
pandemicを手元の辞書で引くと「全国的流行[病]」「世界的流行[病]」」などの訳語が出ています。一般には疫病が広い範囲で流行することで、その意味では「爆発的感染拡大」とか「感染爆発」などと言うこともあります。

一方、WHOなど保健当局で言うpandemicとは複数の国や地域にまたがる大流行のことで、その意味では「パンデミック」というカタカナ語に訳した上で(世界的な大流行)とカッコ書きで付記しておくと分かりやすくていいかもしれません。

より狭い範囲での(たとえば一国内の)流行[病]はepidemic(エピデミック)、さらに局所的な(一地域内の)突発的流行はoutbreak(アウトブレイク、集団発生)と呼ばれています。

(画像リンク先はAmazon ※画像は本文とは関係ありません)
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2020年03月01日 (日) | 編集 |
昨年末頃に中国・武漢で発生して年明け早々から全世界に影響が拡大している新種のコロナウイルス(およびそれによる感染症)は英語ではよくnovel coronavirus、または発生源の地名を取ってWuhan coronavirus(武漢コロナウイルス)、日本語では「新型コロナウイルス」または短く「新型肺炎」と呼ばれています。患者が呈する症状は必ずしも肺炎のそれだけではないからでしょうか、発生当初は多くの報道機関が「新型肺炎」と呼んでいたのが最近は「新型コロナウイルス」が主流になりつつあります。

その後2月半ばにWHO(World Health Organization, 世界保健機関)がCOVID-19(コビッド・ナインティーン)と命名しました。coronavirus(コロナウイルス)、disease(病気)、それにこの病気が初めて報告された2019年に由来する造語で、発生源の地名や動物の名を冠することによる誤解や偏見を避けるためにこのようにニュートラルな名前をつけるのだそうです。しかし日本の報道では相変らず「新型コロナウイルス」「新型肺炎」と呼んでおり、今のところCOVID-19と呼んでいるのはあまり聞きません。
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2017年01月30日 (月) | 編集 |
Person Centered Care (英 Person Centred Care )は英国で生まれた認知症介護の概念で、ネットで検索したところ、この言葉は、認知症を持つ人を一人の「人」として尊重し、その人の立場に立って考え、ケアを行おうとする認知症ケアのことだと説明されていました。日本語では「パーソン・センタード・ケア」というカタカナ語に訳されています。専門家にはおそらくそれで通じるのでしょうが、一般向けなら(人中心のケア)などと後ろに補っておいたほうがいいかもしれません。
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2016年10月06日 (木) | 編集 |
原稿に pharmaceutical services とあったので手元の辞書で引くと「薬剤業務」と出ていましたが、どうも違う意味で使われているようなので、文中に例示されていた会社のウェブサイトを調べてみたところ、そこでは「製薬関連サービス」のことを指していました。もっと具体的に絞り込んで訳すなら、製薬会社から委託を受けて医薬品開発に必要な治験や新薬承認申請など各種の業務を代行する「製薬会社向けサービス」(製薬業界向けサービス)のほうがいいと判断しました。

その意味であれば原稿にpharmaceutical industry services とかservices for pharmaceutical companiesなどと書いてあれば誰でもそれと分かるのにと思いました。日本語であれ英語であれ、舌足らずな原稿は読み手や翻訳者を困惑させます。
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