『財界』誌連載コラム 『英語で夢を見る楽しみ』 寄稿者のブログです。往年のベストセラー『英語屋さん―ソニー創業者・井深大に仕えた四年半』と『英語屋さんの虎ノ巻』(集英社新書)はKindle (Amazon)などの電子書籍でお読みいただけますので引き続きご愛読のほどお願い申し上げます。2008年7月から10年余りにわたって実務翻訳で見つけた訳語を「なるほど!訳語発見 ~英語翻訳の現場から」と題してこのブログに載せてまいりましたが、思うところがあり2018年8月に改題しました。
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2019年07月24日 (水) | 編集 |
『財界』誌に連載中の拙コラム『英語で夢を見る楽しみ』〔連載第434回 Alliance (同盟)、2019年8月6日号掲載〕に [state of ] belligerency (交戦状態)という日常見かけない用語を載せていますが、これについて若干補足しておきます。日本語で「交戦」というと広義ではゲリラなどの武装組織との戦闘(combat)を意味することもあるようですが、belligerencyは普通は国のような交戦主体(belligerent entity)同士の戦闘状態(行為)を指す言葉だというのが私自身の認識です。もっともこれは国際法(外交・軍事)用語らしく、一般にはcombat(戦闘)やwar(戦争)ほど頻繁には使われていません。

belligerencyというと思い出されるのは日本国憲法第9条2項の条文にある「国の交戦権はこれを認めない」(The right of belligerency of the state will not be recognized.)の一文です(おそらく学生時代の私がこの単語を初めて知ったのもこの条文でした)。これについてネットで検索すると「国の交戦権」(the right of belligerency)という用語そのものに疑義を挟む見解も見かけますが、そもそも戦争を完全否定している国が圧倒的に少ない国際社会においてこの用語を見かける機会が少ないのは当然といえば当然で、そこは日本独自の概念を英語に翻訳したものと理解すればいいと思います。日本発祥の英語の例はいくらでもあるわけですから、「こんな英語は外国では使われていない」とムキになって主張するのは野暮というものでしょう。

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2019年06月29日 (土) | 編集 |
海上自衛隊の護衛艦は従来、軍艦(warship)の艦種としては駆逐艦(destroyer)に分類されていますが(本ブログ既出記事 warship 【軍艦】 参照)、ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」「かが」の2隻をSTOVL*戦闘機F-35Bの運用が可能な事実上の航空母艦(空母, aircraft carrier)に改装する計画があって、そうなるとそれをdestroyerと呼ぶのはかなり違和感があります。

永田町界隈では一時それを「多用途運用護衛艦」と呼ぶ向きがありましたが、実態が見えない名前をつけて国民の批判をそらそうとする意図でしたことなら、防衛政策に対する国民の正しい理解と判断を誤らせることになり感心しません。

諸外国の海軍では、大型の[通常]空母(旧日本海軍で言う正規空母)に対し、比較的小型のそれは軽空母(light aircraft carrier)と呼ばれています。改装後のいずも型護衛艦もSTOVL/ヘリコプター搭載軽空母と呼ぶのが妥当かと思います。

なお、米海軍と海兵隊では類似のヘリコプター空母を強襲揚陸艦(amphibious assault ship)と呼んでいますが、それに搭載するF-35Bを増やして軽空母としたものを軍事専門家はライトニング空母(Lightning carrier)と呼んで従来の空母とは区別しているようです(この呼称はF-35の通称「ライトニングⅡ」に由来するものと思われます)。

*STOVL: Short Take-Off and Vertical Landing=短距離離陸・垂直着陸

【参考記事】 米軍、強襲揚陸艦をF-35Bを搭載した「ライトニング空母」に転用、護衛艦「いずも」の先例か(執筆: Ryan Pickrell, Business Insider Japan, Apr. 16, 2019)

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2017年07月27日 (木) | 編集 |
UAS が drone と同じ意味で使われている場合は Unmanned Aircraft System の略で、日本語では「無人航空機システム」と訳しています。最近では「ドローン」というカタカナ語も広く使われるようになりましたがdrone 【ドローン/無人航空機】の項目参照)、このカタカナ語は往々にして玩具のマルチコプターを指して使われますので、それとは訳し分ける必要があります(軍用のドローンは回転翼機とは限らず固定翼機もある)。

UAVなら Unmanned Aircraft Vehicle (無人航空機)の略です。
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2017年07月15日 (土) | 編集 |
軍事用語の force multiplier も今一つ定訳が見当たらず、「フォースマルチプライヤー」とカタカナ語で書いておくほうが誤解を招かなくていいかもしれません。あえて意訳するなら「戦力倍増装置」でしょう。検索すると「戦力[多重]増強要員」という訳されている例が多く見られますが、 force multiplierの意味するところは兵隊(部隊)とは限らないので、ここは文脈に応じて適訳を選択します。比喩で言うなら「鬼に金棒」という訳が平易でよいかもしれません。

(例) it would serve as a force multiplier
   (それは戦力倍増装置として役に立つだろう/それがあれば鬼に金棒だ)
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2017年06月29日 (木) | 編集 |
intelligence communityは広い意味では「情報コミュニティー」とも訳されますが、ネットで改めて検索してみたところ、各国政府の情報機関による相互連絡組織の意味で使われている場合はそのまま「インテリジェンス[・]コミュニティー」とカタカナ語にしておいたほうが誤解が無くて良さそうです。
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