『財界』誌連載コラム 『英語で夢を見る楽しみ』 寄稿者のブログです。往年のベストセラー『英語屋さん―ソニー創業者・井深大に仕えた四年半』と『英語屋さんの虎ノ巻』(集英社新書)はKindle (Amazon)などの電子書籍でお読みいただけますので引き続きご愛読のほどお願い申し上げます。2008年7月から10年余りにわたって実務翻訳で見つけた訳語を「なるほど!訳語発見 ~英語翻訳の現場から」と題してこのブログに載せてまいりましたが、思うところがあり2018年8月に改題しました。
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2019年01月21日 (月) | 編集 |
He's dead.(He is dead.)とGoogleに入れて画像検索すると、とある米国人俳優の顔が多数表示されることに気付くかもしれません。彼の名はデフォレスト・ケリー(DeForest Kelley, 写真右/リンク先は Amazon)。往年のSFテレビドラマ『スタートレック』(放送当時の邦題『宇宙大作戦』)で演じた宇宙船USSエンタープライズ号の船医役の彼が、ドラマの冒頭で殉職する端役の乗組員を診てはHe's dead, Jim(死んでいるぞ、ジム/Jimは船長の呼び名)という台詞を口にするのがお決まりの場面でした。

そのドラマで共演の故レナード・ニモイ(Leonard Nimoy)が演じた宇宙人ミスター・スポック(Mr. Spock)のLive long and prosper.(「長寿と繁栄を」⇒本ブログ既出記事参照)という決め台詞とともに、スタートレックファンの間では今でもネタとしてネット上で語り継がれているというわけです。
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2018年11月02日 (金) | 編集 |
MC (emcee, master of ceremonies)、host、moderator とも広い意味の日本語で「司会者」と言いますが、近頃はそれぞれカタカナ語で「エムシー」「ホスト」「モデレーター」と呼ぶ向きがあり、高齢者以外ならだいたいそれで通じると思います。

MCはイベントの司会者の意味で広く使われています。hostはテレビ番組や社交的な会合の司会、moderatorはどちらかといえばディスカッションやセミナーの司会進行役の意味で使われています。

(例) MC of the event (イベントの司会者、MC)
    host of the TV show (テレビ番組の司会、ホスト)
    moderator of the conference/seminar (会議/セミナーの司会進行役)
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2018年10月09日 (火) | 編集 |
通販サイトでは商品の販売元や製造元から報酬をもらって実際には買っても使ってもいない商品について好意的なレビューを書き込む輩が出没していると聞きます。この種のレビューを英語ではfake review、日本語では「偽レビュー」(ニセレビュー)、「フェイクレビュー」などと呼ばれています。検索したところ「偽レビュー」のほうが多数表示されますが、トランプ大統領がやたらとfake news (フェイクニュース)と叫んでいるせいもあってか、近頃では「フェイク~」というカタカナ語も通じます。

(例) five-star fake review (偽5つ星レビュー、5つ星評価の偽レビュー)

日本語ではこのほか「やらせレビュー」「サクラレビュー」といった言い方もよく使われています。
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2018年09月22日 (土) | 編集 |
このところ国際問題で話題になっている英国の「合意なきEU離脱」を英語圏のメディアは no-deal Brexit と呼んでいます。 Brexit no deal と倒置した表現も見られます。この場合、deal は「協定」「取り決め」(=agreement)の意味でしょう。つまり、自由市場や国境管理など個々の問題に関して新たな協定を結べないままEUから離脱してしまうということです。

日本語の「合意」は法律的な文脈ではよく「意志の一致」という意味で使われます。この場合は英国がEUから離脱すること自体にEUが同意しないで英国を引き留めようとしているわけではありません。そう考えると「合意なき離脱」という言い方はともすれば誤解を招きそうですが、すでに定着している以上はそれに倣って訳すしかありません。

ネットで検索してみたところ、専門家の間ではNe deal を「ノーディール」、Brexitを「ブレグジット」(当ブログ既出記事「Brexit 【英国のEU離脱[問題]】」参照)とカタカナ語で訳す向きもあって、たとえば「ノーディール離脱」とか「合意なきブレグジット」などとカタカナ語と漢語を混用している例も散見されますが、あまり一般向きではありません(少なくとも私自身は使いません)。
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2018年07月28日 (土) | 編集 |
報道関係者が言う photo op (photo opportunityの略)は記者会見の冒頭などで写真撮影を許可された時間のことです。手元の辞書には「撮影許可時間」といった説明調の訳しか出ていません。検索したところその筋には「カメラ撮り[の時間]」と呼ぶ向きもありますが、一般には通じにくいかもしれません。多くの文脈では「撮影会」が適訳ではないかと思います。「フォトオプ」というカタカナ語はありませんが、「フォトセッション」ならあります。

2018年6月に実施された史上初の米朝首脳会談は会談の内容よりも演出が目立っていたため、海外のメディアは次のような表現で酷評していました (参考: 『英語で夢を見る楽しみ』 連載第409回 Photo op/撮影会

(例) photo-op summit(マスコミ向けの撮影会に終始した首脳会談)
    a glorified photo op(虚飾に満ちた撮影会)
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