『財界』誌連載コラム 『英語で夢を見る楽しみ』 寄稿者のブログです。往年のベストセラー『英語屋さん―ソニー創業者・井深大に仕えた四年半』と『英語屋さんの虎ノ巻』(集英社新書)はKindle (Amazon)などの電子書籍でお読みいただけますので引き続きご愛読のほどお願い申し上げます。2008年7月から10年余りにわたって実務翻訳で見つけた訳語を「なるほど!訳語発見 ~英語翻訳の現場から」と題してこのブログに載せてまいりましたが、思うところがあり2018年8月に改題しました。
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2020年01月08日 (水) | 編集 |
雑誌に記事やコラムを載せている人を英語では contributor と言いますが、これに当たる日本語としては「寄稿者」が妥当です。 「コントリビューター」というカタカナ語はこの意味では一般にはあまり通用しないかもしれません。

regular contributorは定期刊行物に毎回書いている人のことで、「定期寄稿者」または「レギュラー寄稿者」が適訳です。「常時寄稿家」という訳語をどこかで見かけましたが、日本語としてはかなり違和感があります。少なくとも私は使いません。

余談ですが、その意味では隔週刊総合ビジネス誌『財界』で十有余年にわたって毎回コラム「英語で夢を見る楽しみ」を書いてきた私もその立場にあるので、ただの「文筆業」よりもそう称したほうがかっこいいかな…と思わないでもありません。

(例) a regular contributor for * magazine (~誌レギュラー寄稿者)
    a regular column contributor (定期[刊行誌]コラム寄稿者)

(画像リンク先は筆者HP内の単行本『英語で夢を見る楽しみ』ページ)
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2019年11月23日 (土) | 編集 |
lynchという動詞はもともと集団による法手続きに拠らない処刑を意味しており、日本語ではカタカナ語で「リンチ」または「私刑」と言います、ただし今日では必ずしも殺害を意味するものではなく、集団による私的制裁を指して使われることもあります。

トランプ大統領が自身に対する議会の弾劾手続きを lynching と呼んで物議を醸しました。彼はこれまでよく「魔女狩り」(witch hunt)という言葉を使っていましたが、おそらくそれと同じ意味でlynchingと言った途端に議員や有権者から非難が集まったのは、20世紀の米国で白人集団が黒人を暴行死に至らしめた行為を指してこの言葉が使われた歴史が背景になっているようです。もっともこの言葉の由来は19世紀の人名らしく、元々は人種差別語(racist word)ではなかったと指摘する向きもあります。

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2019年10月29日 (火) | 編集 |
昨日トランプ大統領が発したHe died like a dog.をテレビニュースの字幕では「犬のように死んだ」と訳していたが、大統領の言葉としてはいささか相応しくないように感じた。ここは「犬のように~」という直喩ではなく「惨めな死に方をした」という慣用句として訳すほうが語弊を招かない。

改めて映像を見ると、トランプ大統領はHe died like a dog.の直後にHe died like a coward.と続けており、それをまとめて解釈すると「彼は臆病者に相応しい惨めな死を遂げた」あたりが適訳かと思う。

それで思い出したが、同時通訳の泰斗、村松増美先生(故人)からこう教わった。「大統領の言葉は大統領らしく訳すこと」

ツイッター投稿記事より転載)



映像出所: 'He died like a dog, he died like a coward:' Trump on death of ISIS leader Abu Bakr al-Baghdadi as edited by Global News ― 2019/10/27 公開 @YouTube
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2019年10月21日 (月) | 編集 |
手元の辞書を引くと、亡くなった人に勲章を与えるという意味で「追叙」(posthumous honor)という言葉が出てきます。これをGoogleに入れてみると、検索結果数は多いのですが、どちらかというと外国や過去に関する用例が多く、今日の日本語ではあまり使われていないようです。「没後叙勲」または「死後叙勲」のほうが一般には通じやすいと思います。

なお賞勲局のホームページで調べたところ、公式には「死亡叙勲」と呼ばれています。死亡時に叙勲申請するためでしょうが、日常語としてはほとんど見かけず、自分で使うにはちょっと違和感があります。

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2019年09月02日 (月) | 編集 |
辞書でよく見かけるprotesterの訳語は「抗議者」「抗議する人」ですが、この言葉は街頭に繰り出して抗議運動を繰り広げる人々を指してよく複数形(protesters)で使われており、その場合は日本語では普通「[抗議]デモ参加者」とか「デモ隊」と言います。Googleで検索してみると、報道記事ではprotestersのほうがdemonstratorsよりも頻繁に使われていることが分かります(たぶん後者より短いので見出しなどに使いやすいからでしょう)。

(例) pro-democracy protesters (民主主義支持デモ参加者)
    anti-government protesters (反政府デモ参加者、反政府デモ隊)
    Hong Kong police were seen beating protesters
    (香港警察がデモ参加者を殴打しているのが目撃された)



映像出所: Guardian News― 2019/08/31 公開 @YouTube
※過激な暴力場面がありますので視聴の際はご注意ください。

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