『財界』誌連載コラム 『英語で夢を見る楽しみ』 寄稿者のブログです。往年のベストセラー『英語屋さん―ソニー創業者・井深大に仕えた四年半』と『英語屋さんの虎ノ巻』(集英社新書)はKindle (Amazon)などの電子書籍でお読みいただけますので引き続きご愛読のほどお願い申し上げます。2008年7月から10年余りにわたって実務翻訳で見つけた訳語を「なるほど!訳語発見 ~英語翻訳の現場から」と題してこのブログに載せてまいりましたが、思うところがあり2018年8月に改題しました。
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2019年10月07日 (月) | 編集 |
日本各地の都市にある「大通(り)」の英訳は、その実態を考えた上で選択しましょう。和英辞典で「大通(り)」を引くとたいていは main street (メインストリート)と出ていますが、これはあくまで「目抜き通り」という意味の普通名詞であって、地名(固有名詞)の英訳には必ずしも適しません。

北海道で生まれた私の場合、大通りと聞いて真っ先に思い出すのは札幌市の中心部を東西に走っているあの「大通」です。その昔、開拓時代には文字通りメインストリートとして計画されたものかもしれませんが、その後長い間、火除地や練兵場(戦時中は畑)などに使われていたそうです。今日この場所は「大通公園」の名で、市民・道民の憩いの場として、また雪まつりなどのイベント会場にも使われる観光名所として全国的に知られています。この公園の両側には道路も走っていますが、メインストリートと呼ぶには程遠いもので、したがってその英訳も、Odori Park または Odori Avenue Park が使われています。

一方、横浜市の「日本大通り」の英訳は Nihon Odori Street がよく使われているようです。横浜方面に土地勘の無い私はよく分かりませんが、画像検索で出てくる写真を見ると街路樹が並ぶ広い通りで、それなら street でなく avenue と呼んでも良さそうに思いますが、検索結果は street が多数派でした。いずれにせよ、固有名詞である以上はその訳語も大勢に従うべきでしょう。

(画像は大通公園のジグソーパズル。リンク先はAmazon)
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2019年03月19日 (火) | 編集 |
航空会社や航空当局が航空機の運航を(一時的に)止める(止めさせる)という意味で使われる英語の動詞 ground を日本語の報道では「運航を停止する」または「運航停止にする」と表現しています。手元の辞書には(飛行機を)「離陸させない、足止めする」とか(パイロットの)「飛行を禁止する」という訳語しか出ていなかったので、一応ここにメモしておきます_φ(・_・

(例) several airlines have grounded Boeing 737 MAX
    (複数の航空会社がB737 MAXの運航を停止した)
    order all Booeing B737 MAX aircraft to be grounded
    (B737 MAX全機の運航停止を命じる)

(画像リンク先はAmazon)
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2018年12月14日 (金) | 編集 |
英語のattractionの訳語として最近は「アトラクション」というカタカナ語がよく使われていますが、私などはアトラクションと聞くと、テーマパークや遊園地の乗り物(ride)や出し物(show)の類を想起します。一方、手元の古い辞書には「呼び物」「客寄せ」という訳語が出ていますが、どちらかと言うと興行やイベントの客寄せの演目のような語感があって、文脈によっては多少違和感があります。

観光ビジネスに関する文書であれば、attractionは「集客施設」または「観光施設」と訳すとそれらしくなります。

(例) accommodation and attractions (宿泊・集客施設)
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2018年11月30日 (金) | 編集 |
at one's risk は手元の辞書には「自分の責任で」とありますが、損害発生時などに「自分でリスク(危険)を負担して」というのが原義でしょう。この「リスク(危険)負担」というのは一般的には馴染みの薄い言葉かもしれませんが、貿易実務や投資業務においては「自己のリスク負担で」と言えば通じます。損害発生時に誰(どちら側)がその費用を負担するかという文脈で使われる表現です。

(例) invest at your own risk (自己責任で/自身のリスク負担で投資する)
   
近頃よく耳にするようになった「自己責任で」という言葉もこの意味で使われています。

(例) Swim at your own risk (泳ぐなら自己責任で)

上の例は海水浴には適さない危険な場所によく見られる掲示です。とどのつまりは「危険なので泳ぐべからず」というメッセージですから、これを「自己責任で泳ぎなさい」と訳すといささか違和感があります。日本語の看板なら普通は「泳ぐな!キケン」などと書いてあるところです。
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2018年11月22日 (木) | 編集 |
日本語でRV(recreational vehicle)と呼ばれる車種は英語(米語)ではキャンピングカーの類を指して言うことが多く、あちらではこの種の車はSUV(sport utility vehicle)と呼んでいるようです。最近では日本語でもRVとはあまり言わず、その多くはSUVと呼ぶようになっているそうです。

辞書によっては「スポーツ用多目的車」またはカタカナ語で「スポーツ・ユーティリティ・ビークル」という訳語が出ていますが、車種としてはSUVと略語のまま呼ぶのが一般的でしょう。私のように自動車に疎い人向けなら「SUV車」とでも書いておけば、自動車の種類の話だと察しがつきます。

SUVとRVの使い分けについては下記のウェブサイトに分かりやすい説明が出ていました。

【参考記事】 SUVとRVの違いとは?ランドクルーザーはどっちに分類される? 〔CarMe〕
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