東京・新宿区内で実務文書の翻訳に携わるフリーランスの翻訳者が、日々の仕事で発見した英語の専門用語や新語、その日本語訳や意味、用例をメモしています。『財界』誌連載コラム 『英語で夢を見る楽しみ』 (略称:英夢見楽)とその単行本に関するご案内も随時投稿。2016年9月下旬に「~+(プラス)」と改題、装いも新たに新カテゴリー「新宿ネコクラシー」「筆者広報室」「広告只管傍観」を加えました。
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2016年09月24日 (土) | 編集 |
政府の高位高官についてよく使われている英語の敬称に His Excellency というのがあります。戦後の日本ではこの種の敬称はあまり使われませんが、日本語では「閣下」に該当します。

相手が女性なら Her Excellency という形になるようです。封筒の宛名などではこのように三人称を使って書きますが、手紙の起句や会話での呼びかけではふつう [Your] Excellency のように二人称を使います。

Excellency は世界各国で広く使われていますが、米国ではなぜか The Honorable などが使われるそうです。米国の大統領に対して記者が質問するときは "Your Excellency," ではなくて "Mr. President," (大統領閣下)と言いますね。

アジアの一部地域では政府高官以外の要人、たとえば民間企業のトップなどにも Excellency を好んで使う傾向もあるそうです(ふつうは民間人に対して Excellency などとは言いません)。これは私の想像ですが、国によっては高貴な方が民間企業の重職に就いていることがあるからかもしれません。いっぽう、王族には His/Her Majesty (陛下=国王や皇帝)、His/Her Royal Highness (殿下/妃殿下=国王の子女や兄弟姉妹)など特殊な敬称が使われることが多いので、注意する必要があります。

日本の偉い方でも「閣下」と呼ばないと機嫌が悪くなる人がいるそうですので、特に政府関係の要職にあるVIPに手紙を出すときは調べたほうがいいかもしれません。敬称のつけ方は国や役職によって様々に異なりますので、微妙な場合は専門書*などで調べるか、またはその国の大使館などに問い合わせて確認したほうがいいでしょう。

*私の参考書は『国際ビジネスのためのプロトコール―心得たい国際儀礼』 (寺西千代子著、有斐閣)です(この本の最新情報については下の追記※をご覧ください)。
(2008年11月29日投稿)

【2013.2.9 追記】
外務省のウェブサイトに「プロトコールでよくあるご質問(国際儀礼の基本講座)」が掲載されています。「敬称・呼称などについて」も簡単な説明が出ています(PDFファイル)。

【2016.9.24追記※】
ひとつリンク切れ(すでに削除した旧・英楽通法の記事)があったので一部を削除しました。ついでに他の部分もチェックしたところ、ここでご紹介した寺西千代子先生の『国際ビジネスのためのプロトコール―心得たい国際儀礼 改訂版』はすでに版を重ねていないのか、版元(有斐閣)ウェブサイトの該当ページを見ても「在庫なし」と表示されていました(ご参考までにAmazonの該当販売ページへのリンクも下に貼っておきます)。国際儀礼のノウハウを書いた類書はありますが、著者の実体験に基づいて書かれたこの本は、表面的な知識だけでなくその背景にある考え方までよく伝わってくる名著だっただけに、もし絶版になっていたとしたらいささか遺憾に存じます(これも大多数の本の宿命でしょうが…)

検索して調べたところ、同じ著者の手になる『国際儀礼の基礎知識』という本が新たに別の出版社から出ているようです。私自身は入手しておりませんが、Amazonの該当販売ページで内容紹介や読者の方のレビューを読む限りでは、内容的には前掲書『国際ビジネスのためのプロトコール』 に加筆・更新した最新版のようです。これもリンクを下に貼っておきます。

 
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