東京・新宿区内で実務文書の翻訳に携わるフリーランスの翻訳者が、日々の仕事で発見した英語の専門用語や新語、その日本語訳や意味、用例をメモしています。『財界』誌連載コラム 『英語で夢を見る楽しみ』 (略称:英夢見楽)とその単行本に関するご案内も随時投稿。2016年9月下旬に「~+(プラス)」と改題、装いも新たに新カテゴリー「新宿ネコクラシー」「筆者広報室」「広告只管傍観」を加えました。
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2016年06月04日 (土) | 編集 |
最近世間の指弾を浴びている舛添東京都知事の公私混同疑惑とそれについての弁明について、私も一都民として、またかつての政治学徒としていささか思うところがあり、ここに私見をまとめて表明することにした。

疑惑の数や種類が多過ぎて自分でも混同したくないので、ここでは(1)東京都知事として費やした出張費の妥当性、(2)同じく公用車の私的使用問題と(3)国会議員時代の政治資金の私的流用疑惑に分けて述べる。

(1) 東京都知事として費やした出張費の妥当性

舛添知事は先日、今後ファーストクラスやスイートルームは使わないと表明したが、ついこの前まで都知事としてそれらを使う正当性を主張していたのとは明らかに矛盾しており、その姿勢の豹変には苦言を呈したい。

しがない私自身は当然このような高価な施設やサービスは使ったことがないが、かつて企業トップのカバン持ちとして海外出張に同行した経験から考えると、ホテルのスイートルームのような広い部屋は、同行者や出張先の関係者の人数が多い場合は、打合せの場所として有用だ。特に最近の海外の治安状況を考えると、不特定多数の人間が出入りするロビーを使うのは剣呑と思われ、ホテル内の会議室を借りるのでなければ、知事の宿泊室を兼ねてスイートルームを利用するのは必ずしも不合理ではない(但し出張それ自体の目的や成果に鑑みて費用対効果に見合ったものかどうかという疑問はあり、それはまた別の話だ)。

一方、航空機のファーストクラスは、知事の健康上の問題など特殊な事情がない限りは無用だと思う。飛行機の最前列に座ることはセキュリティ上必要だという見解も耳にしたが、座席の2列目以降が最前列より危険だという考えは理解しかねる。有名人の中には他人に話しかけられるのが煩わしいという理由で(顔を見られない)ファーストクラスの最前列に座りたがる人がいるのは承知しているが、公人である東京都知事はそれくらい我慢すべきだ。むしろ、普通席で両脇に同行者が座ったほうが安全性も利便性も高い。

このように、スイートルームとファーストクラスとでは問題の本質が異っており、両者を一緒くたにして今後は不要だという暴論は、将来の知事の職務遂行を妨げかねない。

(2) 東京都知事としての公用車の私的使用問題

舛添知事は「今後別荘に行くのには使わない」と投げやりな態度を示したが、これについてもルール上は間違っていないと強弁していたのと完全に矛盾している。むしろ、慣れているドライバーが運転する公用車を利用したほうが、効率上も安全上も守秘上も極めて合理的だ。別荘に通うなどの私用に使ったときだけ、実費(ガソリン代+ドライバーの労賃)を自費(ポケットマネー)で負担すれば済むことではないか。これも後任の知事にとっては迷惑な話だろう。

(3) 国会議員時代の政治資金の私的流用疑惑

この問題については舛添氏が第三者と称する弁護士に調査を依頼しているというが、適法性の問題以前に、倫理的には調査するまでもなく「真っ黒」だ。盆暮れの家族旅行中、たとえ政治目的で数時間の会議を行ったとしても、家族の飲食や宿泊を含む全額を政治資金で賄うのは完全に目的外の使用であって、非常識も甚だしい。美術館の視察は公務だとしても、美術品を政治資金で買うなど決して認めてはならない。それは資料ではなくて資産であり、公金を着服したのと何ら変わるところはない。

政治資金の一部は公金である(旧新党改革への)政党交付金を舛添氏の政治資金団体に移したものだという。少なくともこの分については、ただちに国庫に返納するなり、それが無理なら公益目的に寄付して公に還元することを考えるべきだ。民主主義政治への信頼をこれ以上損なわないためにも、舛添知事本人だけでなく政界全体が襟を正して、改めるべきところは改めてほしい。

舛添氏の言動に対する私個人の感想

マスコミでは舛添氏の性格を揶揄する向きもあるが、氏個人の資質や性格についてはここで批判するつもりはない。小市民たる私も聖人君子とは程遠く、かつての舛添氏のように国会議員として政治資金が使いたい放題という立場にあれば、あまり必要はなくても少しくらいならそこから出費してもいいと考えないとも限らない。

舛添氏をかばうつもりも毛頭ないが、東京都知事が都内の美術展に頻繁に足を運び、あそこでこういうものを見られるなどとツイートしてPRに協力することは、それなりに意義のあることだと思う。ただ、美術品が本当に好きなら何も公務中ではなく、週末の余暇に自費で行っていたら、人品を疑われることもなかっただろう。

かつてテレビで論客として鳴らした舛添氏の見識を高く評価した人も少なくないと思うが、あちらこちらで言っていることや書いていることと実際にやっていることが矛盾している氏の態度は、大きな失望を買ってしまったようだ。氏がたとえどのように言い繕おうとも、またどのような形で責任を取るにしても、政治家としてだけでなく政治学者としての名声も実績も、一連の疑惑とそれに対する下手な弁明で地に堕ちてしまった。この国の政治の将来にとって、大変大きな損失であり残念に思う。  ( 以 上 )

【2016.06.05 追記】
都政と民主主義政治の向上に寄与したいという願いから、上記の私見を東京都ウェブサイトの「都民の声総合窓口」(下記にリンクしておきます)に投稿しました。実際に読んで役立ててもらえるかどうかまでは知りませんが、一応ご報告しておきます。

 「ご意見募集」 > 都民の声総合窓口 (東京都ウェブサイト)


【2016.06.17 追記】
一連の疑惑の追及に耐えられなくなった舛添都知事が先日辞意を表明した。それはそれでひとつの責任の取り方だろうが、こともあろうに本日予定されていた定例記者会見をキャンセルし、退任会見もやらないという。これには呆れた。本人の疑惑以外にも都政の問題はあるし、答えたくない質問にはノーコメントでもかまわないから、記者会見に出るだけは出て最後まで職責を全うしてもらいたかった。明確な理由も示さずに全て投げ出した舛添氏は、政治家以前に社会人として失格だ。また、舛添氏本人が中途で説明責任を放棄した以上、氏にかけられていたすべての疑惑についてクロと判断されても仕方がない。かくも無責任な人物が都知事の職にあったことを都民のひとりとして甚だ遺憾に思う。
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