東京・新宿区内で実務文書の翻訳に携わるフリーランスの翻訳者が、日々の仕事で発見した英語の専門用語や新語、その日本語訳や意味、用例をメモしています。『財界』誌連載コラム 『英語で夢を見る楽しみ』 (略称:英夢見楽)とその単行本に関するご案内も随時投稿。2016年9月下旬に「~+(プラス)」と改題、装いも新たに新カテゴリー「新宿ネコクラシー」「筆者広報室」「広告只管傍観」を加えました。
ミ☆筆者のホームページはこちら〔外部リンク〕→翻訳小僧の営業案内コラム「英夢見楽」フリーランス産業翻訳者人名録【翻訳横丁】 ★彡
ミ★新カテゴリーをプラス→→→新宿ネコクラシー筆者広報室広告只管傍観英語名言【New!】楽しい広告をプラス↓↓↓☆彡
2016年10月16日 (日) | 編集 |
ロシアのプーチン大統領の来日を前に、この国の現内閣が北方領土のうち歯舞諸島、色丹島の2島だけの先行返還で手を打つのではないかとの観測が流れているようだが、北海道出身で元政治学徒の私としては、そんなことをしてこの国に何のメリットがあるのかという疑問がぬぐいきれない。人も住みたがらない小さな島2つ返してもらう見返りに巨額の経済協力を約束させられたら、それは完全な外交的敗北を意味する。

私は道産子といってももともと北方領土とは縁のない道央の出身だが、幼少期から4島は日本固有の領土だという看板やテレビCMを見せつけられて育ってきた。今さら2島だけ返してもらえばいいと言われても個人的に納得できないし、国家にとって最も重要な領土保全の原則に反する。2島返還を条件に平和条約を締結したら、いくらこの国の政府が択捉島、国後島の主権は手放していないと言っても後の祭り。あのしたたかなロシアが引き続き残り2島の返還交渉に応じるとは考えにくく、国境線は事実上確定してしまうだろう。

そもそも日本が帰属を主張している北方領土=南千島4島だけでなく、その北方に遠く連なる北千島も日本が戦争で獲得した領土ではないのだから、返してもらって当然だ(下の地図参照)。さもないと隣国の武力による侵略を追認したことになる。百歩譲って北千島は手放しても、南千島は一括返還すべきだと主張し続けるのが筋だ。

それでも近隣の国際情勢不穏の折、ロシアと誼(よしみ)を通じておくことは日本の安全保障上、重要な戦略課題には違いない。そこで今回は、4島の返還交渉はひとまず棚上げしておき、これら4島の日本の潜在的主権を確認した上で、例えば日本の船舶がその領海内で自由に航行や漁業(コンブ漁など)ができる(つまり船舶が通行・操業してもロシア当局に拿捕されない)という条件で手を打ってはどうだろう。4島に住むロシア国民の処遇や土地所有権、施政権の問題は今後、例えば10年かけて交渉を継続する。経済協力についてはそれとは別に、日露双方の利益に適うかどうかで判断する。

原理原則を無視した中途半端な妥協が将来のこの国に禍根を残すことは間違いない。「ゴリ押しすれば日本は折れる」と相手に思わせても良いことは一つも無い。こういった歴史的に根の深い問題は、一内閣が手柄欲しさに決めてしまうのではなく、たとえ数代かかってもじっくり腰を据えて解決する姿勢こそが肝要だ。

 
資料: われらの北方領土 2015年版 資料編―北方領土の経緯(地図) (外務省)
[PR] いつも当ブログをご利用いただきありがとうございます ( ^^) _旦~~
お帰りの際にはどうぞAmazonにもお立ち寄りください (^^♪
トップ | マイストア | ギフト券 | タイムセール |
Kindleリーダー/タブレット | 電子書籍(著書) | 本(著書) |