『財界』誌連載コラム 『英語で夢を見る楽しみ』 寄稿者のブログです。往年のベストセラー『英語屋さん―ソニー創業者・井深大に仕えた四年半』と『英語屋さんの虎ノ巻』(集英社新書)はKindle (Amazon)などの電子書籍でお読みいただけますので引き続きご愛読のほどお願い申し上げます。2008年7月から10年余りにわたって実務翻訳で見つけた訳語を「なるほど!訳語発見 ~英語翻訳の現場から」と題してこのブログに載せてまいりましたが、思うところがあり2018年8月に改題しました。
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2018年09月22日 (土) | 編集 |
このところ国際問題で話題になっている英国の「合意なきEU離脱」を英語圏のメディアは no-deal Brexit と呼んでいます。 Brexit no deal と倒置した表現も見られます。この場合、deal は「協定」「取り決め」(=agreement)の意味でしょう。つまり、自由市場や国境管理など個々の問題に関して新たな協定を結べないままEUから離脱してしまうということです。

日本語の「合意」は法律的な文脈ではよく「意志の一致」という意味で使われます。この場合は英国がEUから離脱すること自体にEUが同意しないで英国を引き留めようとしているわけではありません。そう考えると「合意なき離脱」という言い方はともすれば誤解を招きそうですが、すでに定着している以上はそれに倣って訳すしかありません。

ネットで検索してみたところ、専門家の間ではNe deal を「ノーディール」、Brexitを「ブレグジット」(当ブログ既出記事「Brexit 【英国のEU離脱[問題]】」参照)とカタカナ語で訳す向きもあって、たとえば「ノーディール離脱」とか「合意なきブレグジット」などとカタカナ語と漢語を混用している例も散見されますが、あまり一般向きではありません(少なくとも私自身は使いません)。
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