『財界』誌連載コラム 『英語で夢を見る楽しみ』 寄稿者のブログです。往年のベストセラー『英語屋さん―ソニー創業者・井深大に仕えた四年半』と『英語屋さんの虎ノ巻』(集英社新書)はKindle (Amazon)などの電子書籍でお読みいただけますので引き続きご愛読のほどお願い申し上げます。2008年7月から10年余りにわたって実務翻訳で見つけた訳語を「なるほど!訳語発見 ~英語翻訳の現場から」と題してこのブログに載せてまいりましたが、思うところがあり2018年8月に改題しました。
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2018年11月30日 (金) | 編集 |
at one's risk は手元の辞書には「自分の責任で」とありますが、損害発生時などに「自分でリスク(危険)を負担して」というのが原義でしょう。この「リスク(危険)負担」というのは一般的には馴染みの薄い言葉かもしれませんが、貿易実務や投資業務においては「自己のリスク負担で」と言えば通じます。損害発生時に誰(どちら側)がその費用を負担するかという文脈で使われる表現です。

(例) invest at your own risk (自己責任で/自身のリスク負担で投資する)
   
近頃よく耳にするようになった「自己責任で」という言葉もこの意味で使われています。

(例) Swim at your own risk (泳ぐなら自己責任で)

上の例は海水浴には適さない危険な場所によく見られる掲示です。とどのつまりは「危険なので泳ぐべからず」というメッセージですから、これを「自己責任で泳ぎなさい」と訳すといささか違和感があります。日本語の看板なら普通は「泳ぐな!キケン」などと書いてあるところです。
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