『財界』誌連載コラム 『英語で夢を見る楽しみ』 寄稿者のブログです。往年のベストセラー『英語屋さん―ソニー創業者・井深大に仕えた四年半』と『英語屋さんの虎ノ巻』(集英社新書)はKindle (Amazon)などの電子書籍でお読みいただけますので引き続きご愛読のほどお願い申し上げます。2008年7月から10年余りにわたって実務翻訳で見つけた訳語を「なるほど!訳語発見 ~英語翻訳の現場から」と題してこのブログに載せてまいりましたが、思うところがあり2018年8月に改題しました。
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2019年06月29日 (土) | 編集 |
海上自衛隊の護衛艦は従来、軍艦(warship)の艦種としては駆逐艦(destroyer)に分類されていますが(本ブログ既出記事 warship 【軍艦】 参照)、ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」「かが」の2隻をSTOVL*戦闘機F-35Bの運用が可能な事実上の航空母艦(空母, aircraft carrier)に改装する計画があって、そうなるとそれをdestroyerと呼ぶのはかなり違和感があります。

永田町界隈では一時それを「多用途運用護衛艦」と呼ぶ向きがありましたが、実態が見えない名前をつけて国民の批判をそらそうとする意図でしたことなら、防衛政策に対する国民の正しい理解と判断を誤らせることになり感心しません。

諸外国の海軍では、大型の[通常]空母(旧日本海軍で言う正規空母)に対し、比較的小型のそれは軽空母(light aircraft carrier)と呼ばれています。改装後のいずも型護衛艦もSTOVL/ヘリコプター搭載軽空母と呼ぶのが妥当かと思います。

なお、米海軍と海兵隊では類似のヘリコプター空母を強襲揚陸艦(amphibious assault ship)と呼んでいますが、それに搭載するF-35Bを増やして軽空母としたものを軍事専門家はライトニング空母(Lightning carrier)と呼んで従来の空母とは区別しているようです(この呼称はF-35の通称「ライトニングⅡ」に由来するものと思われます)。

*STOVL: Short Take-Off and Vertical Landing=短距離離陸・垂直着陸

【参考記事】 米軍、強襲揚陸艦をF-35Bを搭載した「ライトニング空母」に転用、護衛艦「いずも」の先例か(執筆: Ryan Pickrell, Business Insider Japan, Apr. 16, 2019)

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